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実りの秋

実りの秋

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栗のあんこを作りました
空は高く、こうべ垂れる稲穂は黄金色に輝いております。
豊かな恵みにめぐまれた今年の秋
おだやかに嬉しく、そしてありがたく思います。

さて、感謝となるとそこには何かしらのご恩を感じるわけですが、恩という字は、原因の下に心と書きます。原因を心にとどめるという構成です。
恩とは、「なにがなされ、いまの状態の原因は何であるか」を心に深く考えることなのです。もっと簡単に言えば、していただいた事を思いだし、お蔭さまですとつぶやく心です。
そう言いますと、ご恩の考え方は封建的で古い考えであると思う方がいらっしゃいますが、それは恩の正しい意味がわかっていらっしゃらないからでしょう。

最近は物が豊かになり、また福祉が充実してきました。 そしてその享受を当然だと考える方も少なくはありません。
当然だと思う気持ちには、感謝の念は湧いてきません。つまり恩を忘れていることです。そしてそのように恩を忘れますと、もっともっとと権利ばかりを主張するようになります。権利には他への厳しい要請があります。自分を顧みることを忘れがちとなります。
恩とは自覚するものです。またそれは感じるものでもあります。

仏教では私達が今生かされている事には四つの恩「四恩」があると説かれています。その四つは経典によっては少し違いますが次のようにに説かれています。
『正法念処経』には、母の恩・父の恩・如来の恩・説法法師の恩の四恩が、『大乗本生心地観経』では、父母の恩・衆生(社会)の恩・国王(国家)の恩・三宝(仏・法・僧)の恩の四恩が説かれています。また同じく『大乗本生心地観経』には、父母の恩・師長(先生)の恩・国王の恩・施主の恩という四恩も説かれています。
いずれにせよ、「人の人たる道は恩を知り、恩に報いるべき」と説かれています。
弘法大師は、「恵眼をもって観ずれば、一切衆生は皆これ、わが親なり」と説き、道元禅師は「一切衆生斉しく父母の、恩のごとく深しと思うて、作す所の善根を、法界にめぐらす。」と説かれています。 

今ある自分を静かにかえりみた時、そこで自分の生命を知り、家族の力添えを知り、社会の仕組みを知れば、自ずと恩にゆきあたります。そして、存在して(生きて)いくには、迷惑(厄介)をかけずに生活はできないのです。今さらですが、人間は一人で生きていくことはできません。それも自分の目に見えている方やそれ以外の方等と、実に多くの人々によって支えられているのです。
このように世間は、恩という陰の力によって支えれらています。
そしてその世間によって私たちは、生かされています。

このように先ずは恩を知る事が大切です。特に仏法では、「恩を知るは大悲の本なり、善業を開く初門なり」と教えられています。さらに「恩を感ぜざるは畜生にも劣る」とまでいわれます。
秋の実りを前にして、静かにそのご恩を感じてみましょう。

知恩(恩を知る)、感恩(恩を感ずる)、報恩(恩に報いる)
どうぞ、よい季節をお過ごしくださいませ。

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